2023年11月5日放送分
NHKチョイス@病気になったとき
「知っておきたい 傷あとの治療」
▼実際のやけどの跡
- ケロイドとは?
- ケロイドは保険適応で治療できる!
- 実際にケロイド治療をした方の声
- ケロイドになりやすい部分
- ケロイド治療の注意点
- ケロイドの治療にかかる費用
- 化膿して痛みを伴うケロイド治療
- 顔にできた傷!あとを残さないためには?
- ケロイドになりやすいタイプ
ケロイドとは?
日本医科大学付属病院 形成外科 特任教授の土佐眞美子さんが解説。
《ケロイドとは?》
・肥厚性はん痕が大きく広がったものをケロイドという
・ニキビや手術の傷がきっかけとなる
・皮膚の真皮で炎症が持続するとコラーゲンが過剰に作られてしまうため傷あとが盛り上がる
・赤く盛り上げる
・痛みや痒さを伴う
関節を動かすと引っ張られる方向によってケロイドの形が変わることもある。
ケロイドは保険適応で治療できる!
《ケロイドは何で治す?》
・ステロイドのテープ
・ステロイドの注射
・ステロイドの塗り薬
・ステロイドは炎症を抑える効果がありケロイドの基本的な治療となる
・ステロイドのテープは周りの皮膚に影響が出ないようにケロイドの形に合わせカットして貼る
・いきなりステロイドの注射を打つと痛みが出る場合がある
・痒みが強い場合は抗アレルギー剤を使うこともある
実際にケロイド治療をした方の声
10年以上放置されていて硬くなった肩のケロイドを治療した加藤さんの感想。
《ケロイドの治療例》
・現在もケロイド内の炎症は続いている
・ステロイドのテープを毎日1ヶ月間貼り替えた
・ステロイドのテープで柔らかくなったケロイドの深い部分にステロイドの注射を2ヶ月1度のペースで合計3回打った
・副腎皮質ステロイドの塗り薬を併用
約2年で少し赤みは残るものの盛り上がりが平らになりほぼ元通りに綺麗になったそうです。
ここから半年から1年程度経てば更にケロイドが目立たなくなるとされている。
別の患者さんはお腹の大きなケロイドの治療に3年かかったそうです。
ケロイドになりやすい部分
日本医科大学 形成外科 教授の小川令さんが解説。
なぜ傷あとの炎症が続いてケロイドになってしまうのか?
それは皮膚の伸び縮みが刺激となってしまうからで、皮膚が強く引っ張られる部分はケロイドになりやすい。
《目立つ傷あとが出来やすい部分》
・関節
・胸
・首 など
《ケロイドの原因は様々》
・ピアス
・手術
・ニキビ など
ケロイド治療の注意点
ステロイドテープはかぶれを抑えるくらい強いテープなので医師に確認が必要な方もいらっしゃいます。
《ステロイドテープで注意が必要な方》
・子供
・妊娠中の方
・高齢者
・糖尿病などの病気の方
《ステロイド注射で注意が必要な方》
・ステロイド注射の量が多いと女性では生理不順のリスクがある
化膿して痛みを伴うケロイド治療
6年前に心臓の手術をして腹部に長さ26cmのケロイドができた本夛さんが選んだ治療法とは?
《手術あとのケロイド治療例》
・赤く盛り上がった傷あとは徐々に拡大し化膿きて出血を繰り返すようになった
・ケロイドと皮下組織を取り除く手術
・炎症を抑えるために放射線治療
・1年半の治療で痛みが無くなった
・治療費は数万円〜数十万円かかる
顔にできた傷!あとを残さないためには?
机の角にぶつけて額にできた横3針 縦1針縫った傷…できるだけ傷あとを残さないためにした治療例。
《傷あとを残さない治療例》
・抜糸後にサージカルテープで傷あとを固定
・傷口が引っ張られないようにすることでケロイドになるのを防ぐ
・サージカルテープは2〜3日ごとに貼り替えた
・2ヶ月後は赤みが引きケロイドにならずに済んだ
・サージカルテープを貼る期間の目安は、傷の状態によって変化するが、顔は1ヶ月程度、胸や肩は3ヶ月〜1年程度
・テープ交換の目安は、夏なら2〜3日に1回、冬なら1〜2週間に1回のペース
・入浴中もサージカルテープは張りっぱなしでよい
ケロイドになりやすいタイプ
《ケロイドになりやすい方》
・血圧が高い
・急激に体重が増えた
・更年期障害でホルモン補充療法を受けている